SSブログ

「永遠の0」 [書評]

土曜日、荒天で外出する気もおきなかったこともあり、FaceBookでphotosukeさんが百田尚樹さんの「永遠の0」を読んでよかったとの感想をあげられていたので、読んでみることにした。

あらすじや内容については他のブログに譲るとして。

結論から言うと、読み終えた感想はなかなかよかった。

だけど、読み始めた当初は、これまた他のブログでも書かれているけど、浅田次郎さんの「壬生義士伝」と似ている部分が多くあるというとこが、やたら気になったのも事実である。

主人公宮部久蔵の人柄設定が吉村貫一郎のそれと似ている点。
話の進め方が、当時、かかわった人間へのインタビュー形式という点。
そして、その中に主人公を毛嫌いする人間がいるという点
だが、その毛嫌いしていた人間が実は彼を認めているという点。
これはこじつけになってしまうかもしれないけど、残された遺族の面倒を見る人が実は関係者だったというところ。
そうそう、自分の教え子というか、仲間というか、に絶対死ぬなという点も。

主だった気になるところはおよそこういう点。

まぁ、普通に読む分には気にならない話ではあるが・・・。
自分の場合、「壬生義士伝」はもう両手の指の数くらい繰り返し読んでいることもあって、あらすじのほとんどを覚えているせいもあるからかもしれない。

しかし、読み続けていくと、この話のどこからどこまでが史実と合っているかは別として、なるほど、なるほどと思える点が多々あった。

現場を知らない幹部連中のおかげで、多くの人間が死なねばならなかった。
このことは現代の企業戦士にも通じるものがあるんじゃないかな?

その中にも反骨精神を持った人がいて、彼らはみんなから尊敬される存在。
ただただ反骨というだけでなく、人として正しい考え方を持っているか否かというところが大切だということ。

実力があるからと言って、それをひけらかすことなく、年下や部下にたいしても丁寧な物腰で対応する。

長所があれば、それを認めるということ。

読んでいくうちに、そういう学ぶべき、あるいはあらためて考えるべきところがたくさんあった。

そういう意味で、読んだ甲斐があったような気がする。

特攻隊のことを題材にした小説、この本を読み終えて、梅崎春生の「桜島」をいまいちど読みたくなってしまった。

日本綿業倶楽部

日本綿業倶楽部 SIGMA DP2 merrill SPP5.4にて現像

ということでネットで古本を購入してしまったのである(笑)

nice!(2)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 2

コメント 4

photosuke

なるほど~、「壬生義士伝」は読んでいないのですが、似ているんですか。
実は恥ずかしながら第二次大戦について書いている物語はこれしか読んだことがなく、
今後も積極的に読むかは疑問があるので、
「永遠の0」がホントに永遠に0なのかも知れません(意味不明)^^;

浅田次郎で言えばkindleにも出ている「椿山課長の七日間」を、
これもありきたりらしいですが、何れ読もうかと思っています。

それにしても読むのが早いですね!(笑)

by photosuke (2013-04-09 19:17) 

tora

photosukeさん、
せっかくの読後の感動に水を差してしまったようで申し訳ないですぅ。
私も第二次大戦を題材にした物語は、あまり読んだ記憶がありません。
戦後を舞台にした小説は結構読んでいるつもりなのですが・・・。
これはなにか深層心理にあるもののせいなのか、すりこまれた教育の
せいなのか・・・、はたまた、そこまで考えることでもないのか?(笑)

浅田次郎さんの小説は短編ものが好きです。
短編集で言うと有名な「鉄道員」
そして、「月島慕情」「月のしずく」などなど。
Kindle化されてませんが「見知らぬ妻へ」もよかったですね。
あと、映画版で、ラスト岡本綾ふんする「みち子」がオムライスを食べる
シーンでこみあげてくるものがあった「地下鉄に乗って」も印象に残ってます。

機会があれば・・・ぜひ。
by tora (2013-04-10 07:33) 

点取らん虫

ご無沙汰いたしております。
私もこの「永遠の0」は読みました。
印象的なのは、時の指揮官たちが最後になると臆病になっていると分析させている点でした。
僕が知らなかった人たちが実名で何人も登場してきますので、ネットでその人たちのことを調べてみたのですが、その作業が結構楽しかったです。
多くの将兵を死に追いやった司令官達が国会議員になったりしているのを見ると、遺族でない僕でも腹立たしく思えてきます。
戦争突入は仕方のなかった一面もあるとは思いますが戦犯はいますね。
巣鴨で死刑になった人以外にいると思いますね。
ゴールデン・ウィークが近づいてきました。
花冷えがする今日この頃ですが、5月に入ればいい気候になるでしょう。
どこかに行きたいですね・・・。
by 点取らん虫 (2013-04-12 10:38) 

tora

点抑え虫さま

ジャイアンツ三連戦、お疲れ様でした(笑)
手に汗にぎる戦いぶり、血沸き肉踊ったことではないでしょうか?

どこの世も、世渡り上手な方がいらっしゃるようで、戦犯であっても、なにくわぬ顔で
次の椅子に座っている、正直者が馬鹿をみるのかもしれません。

ほんと、新緑のマイナスイオンを浴びたいです。
by tora (2013-04-12 11:40) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。