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重松清著「きみの友だち」 [書評]

2005年に新潮社より刊行された、短編を組み合わせた連作の形式をとった小説である。

本当の友だちって、どういう人のことを言うの?

そんな問いを投げかけてくれている。

一回読み終えてすぐもういちど読み返したのは、昨年読んだ浅田次郎の「輪違屋糸里」以来。

それだけ、読み終えて、心に残る何かをもっていた小説といえるだろう。



僕がそれほど同窓会とかに行きたいという気持ちを抱かないのは、やっぱり思い出がないから。

もちろん、当時は楽しかったし、友だちもいた。

でも、今、この歳になって思い出そうとしても、ほとんど思い出せない。

思い出したくない思い出はすぐに思い出せるのに。

それに自分がそうだということは友だちからみた自分もそうだということに他ならないと思う。

そういう集まりに行って、手持ち無沙汰ですごすくらいなら、家でぼけ~っとしてる方がましとさへ思ってしまう。

僕の学生時代なんて、そんなもん。



曽根崎


Fujifilm X10


小説の中では「佐藤」君の話に、一番、共感した。

恵美ちゃんは佐藤くんに言う。

「じゃあ、いい天気の青空に雲があったら、邪魔?」

「でもさ、青だけの空って、のっぺらぼうじゃん。空の顔つきって、雲で決まるんだよ」

「邪魔じゃないよ、雲は」それもわかる。ただ、お姉さんがその話でなにを伝えたいかが、よくわからない。

でも、お姉さんはきみを指差して、「雲」と笑った。

「がんばれ、雲」

重松清 「きみの友だち」『別れの曲』より

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北のおばさま(さん)

こんにちは。

私、エゾフクロウを探し求める途中で堤防から転げ落ち
左肩脱臼と骨折(泣)

でも、秋に高校の同期会で本州旅行がありそれには参加予定です。
もう、何十回も開催されている愉しい旅行会。
昔に戻れるひと時。

たとえ、その時代が真っ白い雲だったとしても誰もそんなことに
拘りはしませんよ。
たまには、出掛けてごらん。
皆に大歓迎されますよ~(笑)

有難うございました。


by 北のおばさま(さん) (2015-06-15 13:59) 

tora

北のおばさま(さん)

あらら、それは大怪我じゃないですか?!

ちなみに捻挫は数多くあれど、骨折と脱臼の経験なしです(笑)

無理をせずにお大事にしてくださいね。
by tora (2015-06-15 14:10) 

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