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「しんがり 山一證券最後の12人」 清武英利著 [書評]

清武・・・う~ん、どこかで聞いたことのある名前だな?っと思っていたら、いっとき、ジャイアンツのフロントを賑わした、あの方。

ふ~ん、ジャーナリストだったんか?

ま、自分はどちらかと言えば「アンチ」・・・。それ以前に最近はプロ野球にも興味が失せているので、具体的に何があったのかは知らない。

この本の舞台となった、山一證券は1997年(平成9年)に自主廃業となった。

テレビニュースで当時社長だった方の号泣記者会見のイメージは残っているんだけど、社長の顔や何を話していたかはいっさい覚えてない。(雪印の社長は覚えている 笑)

今でこそ、不祥事を起こした弁明記者会見で、社長が泣き出すシーンはよくみるが、あの当時は珍しかった。

しかし、こういうケース、気持ちはわからないでもないが、大の大人が人前で泣く姿をかっこ悪いな、とも思ってた記憶はある。

(※この本を読んで知ったことだが、この社長は何も知らない状態で自主廃業の4ヶ月前に就任したらしい。そりゃ泣きたくなるわな)

さて、この本は、そんな山一證券の自主廃業後、会社の清算とともに、真相を究明すべく無償で働いた方々にスポットを当てたノンフィクションである。

うちも前の会社が右肩下がりになって、いよいよ覚悟せんとあかんのかな、と思っていた時期に、仕事柄、きっと最後の後始末に残らないとあかんやろな、と思っていたこともあって、興味を覚えた。

読んだ感想は、どこの会社でも会社組織では正しいことを言うのは難しいんだろうなということだ。

間違っているとわかっていても、上司の命令には逆らえない。いや、逆らってもかまわないが、その後、どんな仕打ちが待っているか想像に難くない。

自分も会社ではよく上にくってかかるタイプである。

そのたびに「それは正論だけど、そうはいかないんだよ」って上の人から言われる。

いやいや正論なら正論に沿ってやりましょうよ、と心の中では思うが、なんせ、たかだかヒラ社員。

最初から負けるとわかっている喧嘩をするほど、世間知らずではない。

権力のある人間に裏で手を回されたら、ただのヒラではどうしようもないことは身に沁みて感じている。それが実感。

そのせいか現在は干されているといっても過言ではない状況で、毎朝の通勤が苦痛にもなってきている。

そんな状況下、この本を読むことで、なんか元気が出ないかな、っと思い購入した経緯である。

最後に自分の琴線に触れた一節を一部紹介しよう。


“しかし、会社の評価など、人生のある時期に、ある組織の、ある人たちによって下されたものに過ぎない。”


“コンプライアンスは難しくない。常識的であることだ。”


“運だけで成功する人などいない。神様はきっといる。頑張っていればいつか助けてくれる。世間も見る人は見ていて、自分の心を高く保っている人には救いの手を差し伸べてくれる。”


“この世は理不尽なことがたくさんあります。でも流されちゃいけない。言いたいことが言える人間じゃないとね。”

三休橋筋


ちなみに僕の自論は、正しくないことをした者はいつかしっぺ返しを食う、である。
それはすなわち、正しいことをしている人を評価しないと会社は潰れるということの裏返しでもある。

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