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「トワイライト」 重松清 [書評]

土曜日に"ほっけさん"ご推薦の作家、重松清さんの「トワイライト」という小説を読みました。重松さんは、現在産経新聞の土曜日夕刊で、読みきり短編小説を掲載中、誰にでもある日常のちょっとした感動、ほろ苦さ、など喜怒哀楽を書かれる作家という印象です。私のそんな、初重松作品は「トワイライト」でした。

物語は、小学校6年生の時に、40歳になった際開けようと先生の呼びかけで埋めたタイムカプセルを、小学校の廃校にともなって一年早い39歳で開けるために集まった同級生が織り成す人間模様を書かれたものです。

さて、小説の中ではひとつの時代を語るキーワードとして、日本万国博覧会、太陽の塔が出てきます。太陽の塔には三つの顔があります。

白い胴体正面にある何かを睨んでいるようにも見える現在の顔、背中の部分にある、少し陰があって、感情のないような過去の顔、そして、頂上部にある、ちょっととぼけたようにも見える、金色に輝く未来の顔。登場人物たちも自分達の過去、現在、未来の狭間で思い悩み、揺れ動きます。

1970年、人類の進歩と調和というテーマで、大阪の千里丘陵で開かれた当時、小学校二年だったという彼らの設定が、まったく自分とまったく同じ年ということもあって、妙に小説にのめりこんでしまいました。

その小説の影響もあってか、単純な私は、急に太陽の塔がみたくなって、日曜日に万博公園を訪れました。


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コメント 2

ほっけ

重松清さんいいですよね。といっても私もまだ3冊しか
読んでないんですけどね。
なんか自虐的な話が多いけど、そんな内容の方が
私は心に残るし、好きです。
近いうちにこの本も読んでみたいです。
太陽の塔の3つの顔の意味知らんかった。
忘れたのかな。
by ほっけ (2007-06-25 00:03) 

tora

そうですね~~~。ほっけさんの好きなもう一人の作家、宮本輝さんと結びつくところがあるようにも思いますね。一時、宮本輝さんにはまったことありましたが、あの独特の人間の内部に誰でもある、陰鬱な雰囲気に耐えられなくなったという経験をもっています。まだ、重松さんの方がましかなぁ~~?結末に救われるようなものがあるからでしょうか・・・。万博40周年に向けて、太陽の塔の内部を閲覧できるようにする計画があるようです。自然公園の中にはかつて各国・各企業のパビリオンがあった場所に写真つきで案内板がたっていました。案内板めぐりも当時を思い出して楽しめるかもしれませんね。
by tora (2007-06-29 07:43) 

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